LLCとは、会社法で新しく創設された合同会社のことであり、アメリカのLLC(Limited Liability Company)をモデルにしています。合同会社(LLC)は、組合などと異なり、株式会社・合名会社・合資会社のように法人格を有する会社であり、組織変更をすることで株式会社になることもでき、種類変更によって合名会社や合資会社にもなれます。また、合同会社(LLC)の内部関係は合名会社の規定が準用されますが、外部関係では、出資者全員の責任が有限責任とされていますので、会社法施行前の有限会社と同様の性質を有するといえます。
【具体的な活用】
1) ベンチャー企業
将来的には株式会社に組織変更することも可能であり、自らの経営権を失うことなく企業運営できます
2) 専門資格職
弁護士・司法書士・公認会計士・税理士等のコンサルティング業は物的資産よりも個人の専門知識等の人的資産を活用することが中心となりますが、合同会社(LLC)の企業形態を活用して利益分配や意思決定等を定款でプランニングして個人財産まで失うことがないようにすることが可能となります
3) 投資ファンド
会社法施行前の投資ファンドは、「投資事業有限責任組合契約に関する法律」に基づき運用されることから、組合契約であることによって法人格がないことや、投資対象が限定され、無限責任社員が必要であるなどの制約がありましたが、合同会社(LLC)を活用することで、広くファンドの原資を募ることが可能となります。
LLPとは、平成17年8月に施行された「有限責任事業組合契約に関する法律」に基づく新たな事業体のことで、イギリスのLLP(Limited Liability Partnership)をモデルにしています。有限責任事業組合(LLP)は会社法における合同会社(LLC)に類似しており、その特徴として、1)構成員が有限責任であること、2)損益や権限の分配を自由に決めることができるなど内部自治が徹底していること、が挙げられます。しかし、あくまでも組合の形態を取るため法人格がなく、組合名義で登記名義を取得することはできません。また、節税効果の高い構成員課税の適用を受けるという特徴もあります。
【具体的な活用】
1) ソフトウェア・アニメ産業等の専門人材集団
構成員の責任を限定し、迅速な意思決定ができるためベンチャー企業等の活動範囲が広がることが期待されます
以下にLLCとLLPの共通点と相違点を簡単に挙げておきます。
| 共通点 | 相違点 |
|---|---|
|
|
| LLP | LLC | 株式会社 | 民法組合 | |
| 法人格 | × | ◯ | ◯ | × |
| 責 任 | 有限責任 | 有限責任 | 有限責任 | 無限責任 |
| 業務執行 | 総組合員の同意 | 業務執行役員 | 代表取締役 | 総組合員の同意 |
| 内部自治 | ◯ | ◯ | × | ◯ |
| 構成員数 | 2名以上 | 1名以上 | 1名以上 | 2名以上 |
| 組織変更 | × | ◯ | ◯ | × |
| 構成員課税 | ◯ | × | × | ◯ |
